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静寂の夜。一万匹と、私たちだけ

フレッド・オリヴィエ
4 3月 2008

フレッドとファイバーグラス製シェルター

数日前、うれしい訪問者がやってきました。
基地から到着したのは大型のモーター車両と乗組員数名。車にはソリに乗せたRMITバンを牽引していました。大層な名前ですが、何のことはない、簡易なつくりのファイバーグラス製シェルターで、ここが私達の海氷上の安全基地になります。

シェルターはペンギンの群れから1キロメートル離れた所に設置されました。2つの寝台に小さな台所付き。ペンギンの群れの頭上に南天オーロラが光り輝く…そんな幻想的な光景が見られることを願いつつ夜が来るのを待つには、これ以上の場所はありません。しかしこの場所、床面積がわずか1.5平方メートル。ミシュランのキャラクターのような防寒スーツを着て入り口から入るのがやっとなんですが…。

ま、そんなことは気にしないでおきましょう。私達はオーロラの兆しがないかどうかずっと食い入るように空を観察して過ごし、夜が日中よりもさらに寒くなるということをあらためて実感しました。歩くたびに、シーンとしたあたりに足の下で新雪が立てる音が響き渡るのです。暗闇の中で1万匹のオスペンギンが群れをなし、時おり鳴き声が聞こえる以外は驚くほど静かなので、彼らを起こさないようにしのび足で移動しました。静寂の中に1万匹のペンギン…ここにいる人間は私達だけというのは不思議な感覚でした。

落ち着かない連中

数日経ち、気温が暖かくなり、 -14℃に上昇しました。リュックサックにカメラ機材を入れて運んでいると汗をかき、防寒スーツの中に着た衣類を1、2枚脱がなくてはなりませんでした。ペンギン達も、前よりは暖かいでしょう。ペンギンの群れはたくさんの小さな集団が長時間にわたってあちこちに分散したままでした。繁殖地を去るペンギンをここ数日間見かけておらず、今のところペンギンの数がかなり安定しているようです。

群れに留まっている「筋金入り」のオス達は真冬の寒さに良く耐えているようで、私が発見した卵の落し物はわずか数個だけでした。 しかし、その他、繁殖しなかったオスが多く残っていて、ふざけて氷上を滑って遊び、アヒル歩行まで(季節外れの行動!)していました。連中はしばしば群れの端で気が散漫になるようで(群れの形成には集中力が必要!?)、群れの中でも騒動を引き起こしたり、波を立てたりします。連中の気を引いてはならじと私たちは音を立てないように、群れから十分に離れとてもゆっくりと動くようにしています…。

原稿執筆日:6月13日~16日

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